昨日、コンサートが一つ終わりました。6月のコンサートに続いてドイツのロマン派を中心としたもので、歌曲、チェロソナタ、それにピアノソロという、私にとっては一人3役、出ずっぱりの、重責を負うプログラムでした。一夜明けた今日は、お腹を地面につけて気持ちよさそうにべったりと寝転がっている犬の気分を味わっています。
芸大の同期の声楽家の方の提案から生まれたこのコンサートですが、数十年来、お互いの顔は知っていたけれど、今回が初共演ということで、何もかもが新しく、清々しく初心に帰ることが出来ました。
若い頃に、「こういう曲は充分に年を重ねてから弾こう!」と思っていた曲がいくつかあって、6月に弾いたシューベルト(即興曲変ト長調op.90-3)や、今回のブラームス(3つの間奏曲op.117)もその一つなのですが、まだまだ・・・と油断しているといつか機を逸してしまいそうなので、取り掛かり始めたのです。腕まくりをして弾くような曲ではないので、いつでも弾けそうでいて、いざさらってみると曲から要求されるものが大きく、集中力や精神力が要ります。まだ年のとり方が足りないのかな? いろいろな曲を織り混ぜつつ、体力と精神力のバランスをうまくとりながら、気長にやって行けたらよいなと思いました。