梅雨に入る前に初夏が訪れてしまうと、季節感も曖昧になってしまいますね。さて、この時期に恒例のフェリスコンサートが近づいてきました。
私はヴァイオリンの渡部基一さんとラヴェルのヴァイオリンソナタを演奏します。渡部さんとは、以前にフォーレのピアノカルテットを共演して以来ですが、彼は伸びやかで美しい音色が印象的な、芸術的なセンスの光る方です。
ラヴェルのヴァイオリンソナタ、第1楽章は古典的な構築美と、おとぎ話を聞いているかのようなファンタジーに満ち、ブルースと題された第2楽章、無窮動の第3楽章から成りますが、鬼才ラヴェルの面目躍如、リズムと色彩、フランス流エスプリやアイロニーが散りばめられ、とても個性的なインパクトのある曲です。
この夜の多彩なプログラムの最後を飾るのは、シェーンベルクの古典といえる「浄められた夜」の弦楽六重奏版で、実力派の弦楽器奏者たちによる名演となるはずです。
6月22日(木)19時開演、場所は神奈川県民小ホールです。みなさま是非お越しくださいね。