シリーズ第1回が終わりました。

堀由紀子の早晩・遅晩 ~夜のひとときクラシック~第1回が、先週の木曜日に無事に終わりました。早晩、遅晩ともに、想像以上に多くのお客さまが聴きにいらしてくださり、幸せな時間を持つことができました。ありがとうございます。

私にとって演奏している時間というのは、何気なく始まったそれぞれの曲が、そこからどのようにその生命の枝を拡げて行くか、その自由闊達な生成の様子を、お聴きくださる方々と一緒につぶさに観察したり、また、寄せたりひいたりする音楽の波に揺らぎながら、作曲家、そして自らの内面を感じとることのできるひとときであり、生きていてほんとうによかった、と思える時間です。コンサートという枠組みは、もちろん日常とは少し違う、設定された空間と時間なのだけれど、私にとってはこれが、普段目に見えている世界とははっきりと違う次元の世界に、お聴きくださる方たちと一緒に飛んで行ける空間でもあります。その世界は、たよりなくつかみどころのない現実よりも、はるかに信頼できて、心おきなくやすらぐことのできる世界、しかし別の角度から見ると試金石のように容赦のない世界でもあります。

当日のコンサートをDVDで録画したので、いつか近いうちにこのHPでもご覧いただけるようにしようと思いますが、私は大変な器械音痴なので、どうかしばしお待ちください・・・きっとこのコンサートのことをお忘れになった頃に出てきます。

今回、ベートーヴェンが30歳の時に作った3つのソナタに集中して取り組むことで、いろいろな発見がありましたが、これから続くこのシリーズで、自分が演奏家としてどのように成長できるか、また、お聴きくださる方のなかにどのような新しい発見が生まれるでしょうか? 可能性は無限にあるような気がします。今後ともおつき合いいただければ嬉しいです。
どうぞ宜しくお願いいたします。

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